多摩川の支流に平井川というのがある。東京の西部、軽く渓谷をなして流下するこの川は、その昔ハヤが群れをなし、バイカモが繁茂する自然豊かな川だった。今では都市化が進んで、その面影はわずかに残る程度だが、それでもテンなどを見ることができる。子供の頃、私はこの川でよく遊んだ。母の田舎がこの辺りにあるためだ。
ところでこの川には古い堰堤がある。高さは4〜5m程。深い木立に囲まれ、上を道路が渡してあるため昼でも暗い。そして立派な滝壺がある。とても深そうで色の濃い水をいつもたたえるこの淵には名前がある。於奈淵。昔、オナという名の娘が命を絶ったという言い伝えがのこる淵だ。私は「続・11人いる!」でオナを想う時、この淵のことをよく思い出していた。
ちょっとタイミングを逸した話なのだが・・・。