昨日、河内代表の四十九日があった。
劇団員も多く参加した。
とにかく先の「トーマの心臓」公演は氏の追悼という想いが強かった。
特に私は、トーマのお父さんであるヴェルナー氏と出会うシーンで、
ヴェルナー役の氏とかつて共演していたものだから、
そのシーンの性格も手伝って、必ず代表を思い出していた。
そして祈りにも似た心境で舞台に立っていた。
夢の散歩ー
こう名前のつけられているそのシーン、
私がトーマの心臓で一番好きなシーンだ。
そして、このシーンになると必ず舞台袖のどこかで、
物を落としたりする音が響いていた。
すると私は「ああ、また河内さんが来ているな…」
などと思いながら演じていたものだ。
さて、このヴェルナー氏という役、
今回は私の尊敬する山﨑さんが努めていた。
彼がこのシーンを稽古しているとき、
病床にいるはずの河内さんが覗きにきた事がある。
もう見るからにやせ細っていて、
介助がなければ歩く事もままならない様子で、
正視に耐えない状態だったが、
指導でヴェルナー氏を山﨑さんに演じてみせたとき、
それまでとはうってかわって、
さーっと、歩いていたのが印象的だった。
芝居に人生を捧げた人の
最後の演技指導といった感じで、
私もしばらくあっけにとられてその光景を見ていたのを覚えている。
いずれにせよ、氏の安らかなご冥福をお祈り申し上げます。

余談になるが、
トーマ稽古中に私の祖母の四十九日もあったし、
今回の公演は、全く…。